適度な距離感

周囲の友人や同僚がどんどん結婚していく中で、私は出会い系で知り合った彼氏以外にも気になる男性がいることに戸惑いを覚えました。
その人は同じ会社の後輩で、外見はそれほど格好良いというわけではないのだけれど優しい雰囲気のある人です。

最初は私が先輩として色々なことを教えたり、指示を出したりしていたことから関わり始め、だんだんと仲が良くなっていきました。
会社以外でも何回か外で会ったり、食事をしたりすることが増えてきて、私も少し後輩のことが気になってきました。

出会い系の方の彼氏はというと、今まで通りメールでのやりとりを続けていてもはやメールのやりとりが私の生活の一部になっていました。
ですから、このままいくと私は二股をかけてしまうという恐れがあったのです。

それからというもの、私はどうしたら良いのかがわからなくなっていきました。
出会い系というのは魅力的だし、メールでのお付き合いも楽しいのは事実です。
しかし、現実にそこにいる男性と、一緒に話したりご飯を食べたりすることには、出会い系とは違った魅力があります。

私はそういった初めての経験にだんだん引き込まれていきました。
そして「出会い系の彼も彼氏だし、会社の後輩も彼氏にしたい」と欲張りな考えを持ち始めてしまったのです。
もちろん、そう簡単に自分の思い通りに事が運ぶわけが無いですよね。

しかし、当時の私は恥ずかしながら両方を手に入れたいと思ってしまっていたのです。
今となっては「若かったな」と反省していますけれどね。

完全無料出会い系サイトをきっかけにしてつき合っていた彼氏と、最近気になり始めた会社の後輩は、実際のところどちらも好きで選ぶことなんてできない状況でした。
そんな優柔不断な気持ちで毎日を過ごしていたある日、会社の同僚に後輩のことを聞かれました。
その同僚は私が出会い系をやっていて、そこで彼氏を見つけたということを知っています。
ですから、私が後輩のことをどう思っているのかを聞いたということなのです。

一体どちらを選ぶのか、そろそろはっきりしたらどうなのかということを言われ、早く決めた方が良いとも言われました。
しかし、私には答えを出すことはできませんでした。

どちらかを選んだら、もう一方との関係が崩れてしまう、それがとても怖かったからです。
そんな中で、私は今まで話したことがなかった話題を出会い系で知りあった彼氏に振ってみることを決意しました。
それは、結婚についてです。
世間で騒がれている結婚のことを、彼は一体どのように考えているのだろうか、と私は気になっていました。

今まで話題にのぼらなかったのは、他の話題がつきなかったというのもありますが、深く関わりすぎない適度な距離感が二人にとって重要だったからだとも考えられます。
私は、彼に結婚のことをどう考えているのかというような話をメールで送りました。
返信はいつもよりずいぶん時間が経ってから送られてきました。

その分、何となく不安な気持ちが私を襲ってきたのも事実です。
私ははやる気もちを抑え、おそるおそるメールを読み始めました。